この世の終り頃に「ロシアがイスラエルに侵攻する」というのは、キリスト教徒の間では以前からそこそこ語られていたものですが、イスラエル在住日本人によると、最近ではキリスト教徒ばかりかユダヤ教徒の間でも話題に上るようになっているそうです。
それでは、聖書の該当箇所を見てみましょう。
さらに、私(エゼキエル)に次のような主のことばがあった。
「人の子よ。メシェクとトバルの大首長であるマゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言して、言え。神である主はこう仰せられる。
メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしは、あなたに立ち向かう。わたしはあなたを引き回し、あなたのあごに鉤をかけ、あなたと、あなたの全軍勢を出陣させる。それはみな武装した馬や騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。ペルシヤとクシュとプテも彼らとともにおり、みな盾とかぶとを着けている。ゴメルと、そのすべての軍隊、北の果てのベテ・トガルマと、そのすべての軍隊、それに多くの国々の民があなたとともにいる。
備えをせよ。あなたも、あなたのところに集められた全集団も備えをせよ。あなたは彼らを監督せよ。(エゼキエル38章1-7節)
「メシェク」はモスクワの遠い語源、「トバル」はシベリアのトボリスク、「マゴグ」はカフカス山脈の北方あたりのことのことですので、「ゴグ」はロシアということになります。
次に、「ペルシア」はイラン、「クシュ」はエチオピアとスータンの各々北部、「プテ」はリビア、「ベテ・トガルマ」はアルメニアとトルコ北部を指します。
ここまでは、キリスト教、ユダヤ教ともにほぼ意見が一致するのですが、「ゴメル」については両者で見解が分かれます。
キリスト教はトルコと考える人が多数ですが、ユダヤ教はゲルマニア即ちドイツという見解が多数です。
多くの日が過ぎて、あなたは命令を受け、終わりの年に、一つの国に侵入する。その国は剣の災害から立ち直り、その民は多くの国々の民の中から集められ、久しく廃墟であったイスラエルの山々に住んでいる。その民は国々の民の中から連れ出され、彼らはみな安心して住んでいる。(エゼキエル38章8節)
で、ロシアとその同盟軍は「終わりの年」にイスラエルに侵入するわけですが、その「終わりの年」は、「多くの国々の民の中から集められ」た後である必要があり、これは既に1948年のイスラエル建国、1967年のエルサレム占領で実現しています。
もうひとつの「安心して住んでいる」の「安心」は、シャローム(平和)ではなく、ベター(Securityに近い意味)即ちイスラエルの軍事力の充実により安心している状態という意味であり、これもほぼ実現していると言って良いでしょう。
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